塙保己一エピソード その5.判断力

保己一エピソードその5判断力

保己一のところに「さんずい偏に吉」と書かれた手紙を持った者が来て「この町はどこでしょうか?」と尋ねた。
対応した門人はさっぱりわからずにいたが、保己一は「油町だろう」と答えた。
「どうしてですか?」と聞くと「これを書いた人が油という字を忘れて、近くにいた人に聞いた時、さんずいにヨシと教えた。そのとき、さんずいに由と書くべきをさんずいに吉と書いたのだ」と推理した。
本を読んでもらうとき、漢字の偏や旁、ひらがなか、カタカナかすべてを正確に覚えていたから瞬時に判断できたのである。